ヴィオラとヴィオレットの秘話


かしましい娘たち
好きじゃない
 たわむれる少年たち
 少しだけまともかしら
薄着のワンピース
脱がされちゃっても
 髪の毛を撫でてもらえるもの
 ほんの少しの哀れみで

痛いのよ じんわりと
針で指先を刺されても
眠らないのがわたしたち
でもコルセットで作ったくびれ
無遠慮に引き寄せられたなら
天に向かって首を折る
そんなことあり得ないって
あなた 言うでしょ?

ベッドに横たわって見る窓の外
落ち窪んで人形めいた
あの人のその瞳が好きよ
わたしを聖女だと思うでしょう
やわらかな手はしなやかに
あの人の身体を撫でるから
でも黒い服はオートクチュール
箪笥の奥から鼓動が聞こえるの
あなた 知ってた?

ヴェールの下
息をするわたしたち
あなたが見る光の裏側
わたしたちは存在しているわ
手を差し出すから握ってよ
さあ 舞踏を


2012/02/09



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