流星雨


眠りの森の湖のほとりで
長いあいだ たった一人
肺を満たしていた
わたしの身体が朽ちたなら
小鳥たちが花を摘んで
眠るわたしの傍らに
そっと捧げるのだろう
孤独なお姫様の行く末のように

欠けては満ちる月の
呪いのような引力で
夜を計り続けていた
悲愴を抱きしめ
朝を恨み続けた
流星雨が降り注ぐ
あの日まで

迷い込んだあなたの
眼差しの強さ
触れた指先の熱さ
月を見ないでと
震える目蓋を覆った
なぜ涙が溢れるのか
なぜ人は半身を求めるのか
迷路の真ん中で
幼子のように泣き喚いた
孤独を捨て去りたいと
願う日が来てしまうなんて

愛に縛られ続けても
愛は等しく胸へ落ちる
誰もが歩く道へ
引きずり込もうとする
ああ わたしも
一人の人間である前に
一人の女の子なのだった
狂おしいほどに
そうなのだった


2007/8/19



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