Rot und Schwarz


太陽の下で
十字を切った
胸に溢れる
悪心に封をするため

月の下で
指を組んだ
胸に木霊する
咆哮を聞くため

かつて同じ日に生を受けた
正反対のわたしたち
あなたの黒がねの髪は
つややかな漆黒の馬
わたしの赤がねの髪は
しぶとくぶら下がる夕陽
元々交わることなどできなかった
あなたは颯爽と草原を駆けてゆき
わたしは急かされるように
火車となった

わたしがあなたの後を追えば
青い草原は緋に燃え盛るだろう
もしわたしに草原を駆け抜ける
自由な手足があったとして
あなたの持つ星屑を
手に入れることができたのか

惨めだと哀れだと
水を被り
人に縋るのは容易い
愛を滴らせるのならば
毒を塗って返してやろう
手垢のついた導きなど
わたしが燃やしてやろう
永遠の希求
わたしの瞳は
わたししか映さない

怒りがわたしを導く
爪を隠し
微笑を浮かべ
さんざめく流星の丘で
燃え尽きて終わりたい


2010/10/03



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