薄荷糖


君がくれた薄荷糖で
僕は未だ生き延びています
僕を見舞った君が
口の中に放り込んだ
氷柱のような欠片
舌の上で綻べば
喉の奥
涙の穴
止め処ない痛みが
僕を刺すのです

薄荷糖を食し続ける僕を
滑稽だと嗤いますか
この真っ白い部屋で
骨を食らい尽くしたら
僕の魂もやっと
君に追いつくのでしょう
あの日のように
恐ろしくなどありません
どうか薄い膜の向こうで
最後に残った白い骨
共に咀嚼してください
それを夢見て
永遠の午睡につこうと思います


2007/7/06



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