ゴールデン・アフタヌーン


やさしい瞳のうさぎ
あかむらさきのラディッシュ
たいようみたいな薔薇
しあわせの四葉のクローバー
まっさらなレースペーパー
聞きなれない異国のことば
あたたかな紅茶の香り
夢はいつも隣り合わせ
知っていてもいなくても

風撫でる耳に
小鳥のコーラス
睫毛の先に
光と遊ぶ小さなおんなのこ
微笑むあなたの目蓋には
光差す楽園の
錆び付いた門扉が開く

さあ 葉陰でティーパーティーをしよう
お客さまはだあれ
不思議の国のなんとやら
芽吹いた緑は覆い隠して
ぜんぶぜんぶ
その腕に抱き取る
絶望も希望も
生も死も
透明な光のなか
懐かしい場所には還られずに
懐かしい場所によく似た楽園を
楽園と呼ぶ

目覚めた朝に泣いてみた
月に焦がれて飛んでみた
夕焼けと朝焼けのあいだに
幕を下ろし
幕を開け
喜劇と悲劇の追いかけっこ
トラジコメディーに疲れ果てれば
いつだって
楽園の門扉が開かれる
あなたの望むまま
いつまでも どこまでも
キラキラの場所で待っている


2008/6/08



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