キャラメリゼ


きらきらを探そう
ちっぽけでいい
石ころでも
とんぼの翅でも
嘘なんかじゃないもの
窓の外は
ねえ そんなもので溢れているの

ママが呼んでる
拷問がはじまる合図
濁った光のイミテーション
眩暈に倒れるくらい
それでもママの指はうつくしい
パパの声は低く降ってくる
地を這う蛇みたい
横になった僕に
そっと絡まる

火照った頬をとろかす
星屑のきらめきと
夜の淑やかさ
壊さないで 明けないで
シャンデリアは粉々だけれど
うさぎのぬいぐるみを抱えて
眠れない夜を閉じ込めよう
小さく丸まって頬擦り
君だけは温かいから

焼け焦げた砂糖の匂い
甘いくせに苦いんだ
あの赤の味と似ているね
彼女はキャラメリゼ
甘い名前を持つ


2007/9/22



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