あぶくの子ら


羊水の拒絶
へその緒の断絶
続く長い回線のなか
わたしは試みてみた
痛いの苦しいの
あなたは聞く
痛くないよ苦しくないよ
だけど真似はしないで
わたしは答える

涙を流さないあなたの瞳
水みたいに漂っている
還りたいのか孵りたいのか
分からないの
迷っているの
絡め取られてしまったんだね

海から生命が放たれたのなら
わたしたちは海から生まれた
知っているでしょう
吐き出した息が
無数の卵となって
波間に浮かんでは消え
月に向かって身を弾いた
その一粒にすぎないこと

涙を流したあなたの瞳
燃やすように割れるように
海を枯渇させてしまった
孤独に蝕まれた背中を
塩水に晒し続けて
ごめんね ありがとう
わたしはあなたの呪いになった


2007/7/06



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